


断崖絶壁の禿げた山。ここは数年前まで、
農家のユニオン《グッドハーベスト》の村があった。
しかし山頂に魔獣を引き寄せる瘴気が発生し、
今では村は魔獣たちの住処となっているという。
今回の物語の主要人物は魔獣に奪われた村の巫女だ。
彼女は瘴気を浄化できる力を持っていた。
山の瘴気を浄化すれば魔物の数は減り、
村を取り戻すことができるだろう。
しかし彼女の周りには魔物と戦える者がおらず、
山に近づくことができなかった。
村の巫女を訪れた《主人公》のリバイアとマリー。
巫女は二人に事の顛末を話すと、
マリーは自らの危険も顧みず
村を取り戻そうとする彼女の志に心を打たれた。
そしてリバイアに、
山頂まで彼女を護衛しようと共闘を持ち掛けた。
《使命》は譲ります。
あなたが最後に、山の瘴気を浄化して巫女たちが
村を取り戻す《結末》を導けばいい、と。
《主人公》一行が瘴気にあふれた山を踏みしめれば、
猛然と襲い来る魔獣の群れ。
マリーが前方を、リバイアが後方を
守るように魔獣を撃退していく。
マリーが魔獣の重い一撃に揺らめいたその時。
一匹の魔獣がリバイアに襲い掛かると、
彼は大きく横に避けた。攻撃を避けられた魔獣は、
リバイアの背にいた巫女へと標的を変更し襲い掛かった。
すんでのところでマリーがその魔獣を仕留める。
マリーは感じた。
間違いない。魔獣に彼女を『襲わせた』んだ。
マリーは怒り、リバイアを睨みつけた。
「何してるの…?」
「主人公が導く結末とはどのようなものでもいい。
ここで巫女が魔獣に殺されれば、
私がこの悲惨な《結末》を導いたことになる。」
「そんな…ふざけないで!例えそうでも、
人のために危険を負う人が
死ぬ結末なんて間違ってる!」
リバイアは軍刀をマリーに向けて構えた。
これ以上の会話は不要と判断したのだろう。
マリーもリバイアに対して戦闘態勢をとった。
この物語の《結末》を賭けた戦いが、今始まる。